当院では、糖尿病患者様に対し、糖尿病療養指導士である管理栄養士がいつでも栄養指導できる体制となっています。栄養指導の際、お酒の適量についての質問を多く受けます。患者様の中には、糖質を含まないお酒に変更すれば問題ないと考えている方も少なくありません。
お酒の中には、ビール・日本酒を代表とする糖質を含むお酒に対して、焼酎やウイスキーなどの糖質を含まないお酒もあります。日本酒を焼酎に変えれば、問題はないのでしょうか。糖質を含まないアルコールのエネルギーは、体内でブドウ糖に戻ることが無いため、血糖値を上昇させる力はありません。しかし、アルコールそのものが、肝臓内のグリコーゲン(=体の中で蓄えられたブドウ糖のこと)のブドウ糖への分解を促進させる作用がある為、飲酒後は一過性に血糖値が上がります。また、アルコールは1gあたり7kcalと高カロリーでもあり、食欲増進効果もある為、体重増加に繋がりやすいという問題点もあります。そのため、一般的にアルコールには血糖値のコントロールを乱す作用がある為、糖尿病患者様にとって飲酒はよくないとされています。もちろん、糖尿病のコントロールがよい場合には、アルコールの摂り方を工夫して、楽しむことができます。(コントロールが悪い時にはアルコールを控える必要がある場合ももちろんあります。)
当院では、飲酒の習慣がある患者様への栄養指導の際には、『おつまみの内容に注意し、ゆっくり会話を楽しみながら、飲みすぎないようにしましょう。水分補給もしっかりしましょう。』とお話ししています。血糖コントロールが悪化したり、体重増加が目立つ方には一時的に禁酒してもらったりもしています。 おつまみの内容や適正な飲酒量についてなど気になる方は、お気軽に当院医師・管理栄養士にご相談ください。
posted by 岡本内科クリニック at 11:53|
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