骨折の要因となる骨の強さは、骨量と骨質の2つの要素で成り立っています。インスリンには血糖値を下げる働きのほかに、骨芽細胞(骨を造る細胞)に作用して骨の形成を促す働きがあります。1型糖尿病では、インスリンがほとんど分泌されないため、骨形成が低下し骨粗鬆症になりやすくなります。一方、2型糖尿病では、骨量は糖尿病でない人と同じ程度保たれていますが、高血糖状態により終末糖化産物(老化をすすめる原因物質)が形成され、骨質が悪化することにより骨粗鬆症になりやすくなります。
また、高齢に伴い骨がもろくなるのはもちろんのこと、特に女性は、閉経を機に骨密度を保つ働きのある女性ホルモンの分泌が急激に減少し、骨量が少なくなりますので、より骨折に注意しなければなりません。
骨粗鬆症を予防するためにも、血糖コントロールを良好な状態に保つのはもちろんのこと、食事や運動などの生活習慣を見直すことが予防に効果的です。カルシウムを多く含む乳製品、魚、豆製品、緑黄色野菜。カルシウムの吸収を助けるビタミンDを多く含むサケ、サンマ、ウナギ等の魚類や干し椎茸を積極的にとることをお勧めします。
また、当院では、骨密度測定の検査を行うことが出来ます。ご希望の方は、スタッフにいつでもお声掛けください